リハビリテーション部/理学療法部門

理学療法部門

 私たち理学療法士は、病気やケガ、加齢(老化)などにより運動機能が低下した患者さんに対し、運動機能の維持改善を目的として、運動や物理的手段(温熱・電気・水・光線・超音波など)を用いて、失われた身体機能を回復させ、社会や日常生活への復帰を支援いたします。また、予防的な観点からも関わります。

Q:理学療法の対象は?

 身体に障がいを持った方、手術をした方に対して早期からの理学療法を行っています。整形外科疾患、脳血管疾患、内科疾患(神経筋・心臓・呼吸器・腎臓など)、外科疾患(消化器がん・がんのターミナルなど)、泌尿器科疾患、新生児疾患等が対象となり、入院だけでなく、外来も行います。

Q:理学療法士は何人?

 53名の理学療法士が整形チーム、他科チーム、回復期チームの3つに分かれて専門的な治療を行っています。

Q:理学療法はどんなことをするの?

<整形チーム>
 入院の方に関して人工股関節置換術、人工膝関節置換術、腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎手術、外傷による骨折に対する手術、前十字靱帯損傷などのスポーツ疾患の術後リハビリテーションをクリニカルパスに沿って進めています。ほとんどの患者さんが手術翌日からリハビリテーションを開始し、人工股関節置換術や人工膝関節置換術を行なった患者さんの中には手術当日から開始する方もいます。術後早期など必要性の高い方には土日も急性期リハビリテーションを提供しています。また、外来の患者さんに関しては、各関節痛や腰痛に対する保存療法を行っており、ご自分で行っていただく運動療法の紹介や手で行う徒手療法、機械トレーニング、物理的手段を主として用いています。外反母趾などの足部疾患の方には足底板療法も行っております。

<他科チーム>
 脳外科、循環器内科、心臓血管外科、外科、消化器内科、腎臓内科、小児科など多岐にわたる診療科の患者さんを担当しています。
 脳外科の治療では、頭蓋内の術後や脳卒中発症後の患者さんに対して早期から介入し、科学的根拠に基づいて下肢の装具療法、電気・磁気等の物理的手段など積極的に用いながらリハビリを実施しています。
 循環器内科や心臓血管外科では、心臓リハビリテーション指導士を中心に心筋梗塞・心不全などの患者さんに対する運動療法のほか、血管病変のある患者さんに対し術後早期離床への介入などを行い、入院から外来まで専門的に治療にあたっています。
 がん患者さんのリハビリでは、手術前後に介入し早期離床をはかるほか、ターミナル期の方への介入も行っています。また、下肢リンパ浮腫に対する圧迫療法やリンパドレナージなどの複合的治療を実施しています(※詳細は健康コラム第45話「リンパ浮腫」をご参照ください)。
 当院にはNICUがあり、低出生体重児などの小児疾患に対しても入院から外来までのリハビリテーションを提供しています。
 各診療科でカンファレンスを実施し、他部門との連携を図りながらリハビリテーションを進め患者さんの生活を支援しています。

回復期チーム

 回復期リハビリテーション病棟は、急性期治療を終えた患者さんが医学的管理のもと、日常生活動作(ADL)の向上や在宅復帰を目指すために集中的なリハビリテーションを行う病棟です。
 当院の回復期リハビリテーション病棟の特徴は、脳血管疾患の患者さんが9割を占めており、運動麻痺やバランス障害、協調性運動障害といった多種多様な症状に対して専門的なリハビリテーションを提供しています。
 当チームは科学的根拠に基づく評価・介入(EBP:Evidence Based Practice)を重視し、運動療法を軸に、装具療法、物理療法なども積極的に活用しながら、質の高いリハビリテーションの提供に努めています。
 また、脳血管疾患以外の整形外科疾患、神経疾患、内部疾患、廃用症候群などにも対応し、幅広いニーズに応えられる体制を整えています。
 急性期との密な連携をはじめ、退院後の生活期(外来・訪問・通所など)との継続的な繋がりを大切にしながら個別性のある支援を展開しています。
 当病棟のビジョンでもある「新たな希望を持てる場所」の実現に向けて、患者さん一人ひとりが再び前向きに日常を歩めるよう、リハビリテーションの力でサポートして参ります。

リハビリテーション部 作業療法部門 言語聴覚部門 歯科衛生士部門