心臓血管外科
特色
山形済生病院心臓血管外科では主に脈管(動脈、静脈、リンパ管)の疾患に対する専門的な診療を行っています。特に下肢末梢動脈疾患による重症虚血肢に対する下肢救済療法、下肢静脈瘤に対する血管内治療、リンパ浮腫に対する複合的治療を中心に多職種が協力して診療を行っております。
診療に際しては、患者様お一人お一人の病状を詳細に評価するとともに社会的な背景などを考慮しオーダーメイドの治療方針をご提案させていただくことをモットーとしております。
主な疾患と治療法
下肢末梢動脈疾患
足の血管が動脈硬化や炎症性疾患により、詰まったり狭くなったりすることで、十分な血液が流れなくなり発症する病気です。
症状 |
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治療法 |
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下肢静脈瘤
足の皮膚のすぐ下にある静脈(表在静脈)が瘤(こぶ)のように膨らみ、屈曲蛇行した状態のことです。
発症の誘因は立ち仕事、妊娠、肥満、遺伝的要因などが挙げられます。
症状 |
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治療法 |
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深部静脈血栓塞栓症
主に脚や下腹部にある深部静脈に血栓(血の塊)が生じ、血管を塞ぐ病気です。
血栓は『血管の流れが悪い』『血液が固まりやすい』『血管が傷ついている』という3つの状態により生じやすくなります。
深部静脈に生じた血栓が流れて心臓や肺に到達すると、肺の血管が詰まり、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こします。
症状 |
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治療法 |
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リンパ浮腫
リンパ管の流れが悪くなることにより、リンパ液が体内に漏れ出し、腕や脚にむくみが生じる病気です。
リンパ浮腫には生まれつきリンパ管やリンパ節の発育不全により発症する「原発性リンパ浮腫」と、手術によるリンパ節の切除や放射線治療等で発症する「続発性リンパ浮腫」に分けられます。
症状 |
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治療法 |
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専門外来
・静脈瘤外来:金曜日午後
・血管外科・下肢救済外来:水曜日午前
外来診療体制
外来診療体制につきましては下記をご覧ください。
外来診療体制一覧
所属医師名・所属学会・専門分野
折田博之(S54年医師免許・医学博士)
- 日本外科学会〔外科専門医・指導医〕
- 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・ 心臓血管外科修練指導者〕
- 日本胸部外科学会〔指導医〕
- 日本老年医学会〔老人保健施設管理認定医〕
廣岡茂樹(S60年医師免許・医学博士)
- 日本外科学会〔外科専門医・指導医・認定医〕
- 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・心臓血管外科修練指導者〕
- 日本静脈学会〔評議員・弾性ストッキング、圧力療法コンダクター〕
- 血管内レーザー焼灼術実施・管理委員会〔指導医・実施医〕
- 日本病院会〔医療安全管理者〕
- 日本リンパ浮腫学会〔保険診療医〕
外田洋孝(H9年医師免許・医学博士)
- 日本外科学会〔外科専門医・指導医〕
- 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・心臓血管外科修練指導医〕
- 日本脈管学会〔脈管専門医・評議員〕
- 日本フットケア・足病医学会〔東北地方会評議員〕
- 日本ステントグラフト実施管理委員会〔血管内治療実施医(腹部)・腹部ステントグラフト指導医〕
- 浅大腿動脈ステンドグラフト実施医〔Gore VIABAHN〕
- 日本血管外科学会〔血管内治療医〕
- 日本静脈経腸栄養学会〔TNT〕
- DMAT隊員
R5年心臓血管外科手術症例
① | 下肢静脈瘤・血管内治療 | 496肢 |
血管内焼灼術(レーザー、ラジオ波) | 443肢 | |
血管内塞栓術(ベナシール) | 53肢 | |
② | 下肢末梢動脈疾患(慢性動脈閉塞)に対する血行再建手術 | 42例 |
③ | 急性動脈閉塞・外傷等に対する血行再建手術 | 7例 |
④ | 趾・肢の切断術、断端形成 | 29例 |
⑤ | バスキュラーアクセス作成 | 24例 |