認定看護師(摂食嚥下障害看護認定看護師)
「食べる」ことは単に健康維持の栄養補給の手段だけではなく、脳の活性化、腸管の活性化により免疫能や消化吸収などの機能を保つ、五感で「おいしい」を感じて満足感を得る、人や社会との関わりを持つ時間など、何気ない日常の営みでありながらかけがえのない行為です。この世に生を受けた時から人生の最期まで一生を通じ「口から食べる」ことは、自分らしく生きるための要件の一つです。
摂食嚥下障害をきたす原因として様々な疾患が挙げられますが、人生100年時代と言われる昨今、加齢に伴う摂食嚥下障害によって誤嚥性肺炎を発症する件数も増加しています。
摂食嚥下障害認定看護師は、特定行為研修で学んだ高度な知識や実践力を基にした臨床推論を活用しながら、摂食嚥下機能とその評価を行い、その結果に基づく適切な援助・訓練方法の選択、誤嚥性肺炎や窒息・栄養低下・脱水の増悪防止や改善に向けたリスク管理を行う役割があります。
「食」は人を良くすると書きます。摂食嚥下障害を抱える患者さまやそのご家族の「どう生きたいか」の想いに寄り添い、安全を保ちながら味わう楽しみを感じ、生きる楽しみを持ち続けQOLの維持向上を図ることができるよう、「口から食べる」ことをサポートしていきたいと考えます。
摂食嚥下障害看護認定看護師 加藤 ゆか