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変形性膝関節症について

変形性膝関節症とは

膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減り歩行時に膝の痛みが出現する病気です。

原因・起因について

  • 主な原因としては、関節軟骨の老化によるものが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。また、骨折、靭帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。
  • 加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減ることで関節が変形します、変形性膝関節症は加齢など、病気やケガといった明確な原因が特定できない「一次性」と膝の骨折、靭帯や半月板損傷、捻挫や関節リウマチといった原因がはっきりと分かっている「二次性」に分けることができます。
  • 日本国内では、一次性の変形性膝関節症の発生頻度が圧倒的に多いとされています。また、すり減った軟骨が自然に戻ることは難しいとされています。男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。

症状について

  • 症状としては、膝を動かした時に生じる痛みがあります。初期では立ち上がり、動き始めなど動作の開始時のみ痛みが生じ、休めば改善しますが、中期には正座や階段昇降が困難となり、末期になると安静時痛も発症し、変形が目立ち、まっすぐに膝を伸ばすことが困難なために外見上はO脚変形が生じ、歩行困難となります。
  • また、炎症反応が生じ、膝に水が溜まる(関節水腫)こともあります。通常、人は立ち上がった際には膝蓋骨(膝のお皿)の形が見えますが、関節水腫になると溜まった水の影響で膝蓋骨が見えなくなります。そのため、膝の屈伸にも影響が出てきます。

変形の進行度

  • 変形性膝関節症の進行度の評価は、一般的には膝のレントゲン写真における関節の隙間(軟骨の厚み)の大きさで評価します。この際、より正確に関節の隙間の評価を行うためには、立った状態で撮影することが重要です。
  • レントゲン写真では関節の隙間は狭くなり、本来はない場所に骨が出てくる(骨棘)ような像が見られるようになり、進行すると関節の変形が起きます。
  • 痛みが強い場合でも、レントゲン写真ではその原因が分かりにくい場合があります。その際には、MRI検査にて変形性膝関節症の病気の本態である軟骨の摩耗の程度と質の変化を確認することもあります。

治療方法

  • 変形性膝関節症の治療は、まずは保存的な方法が行われます。その内容は生活指導、痛み止めの薬や湿布などの外用剤、温熱療法や電気療法などの物理療法、筋力訓練を中心としたリハビリテーション、足底板やサポーターによる装具療法、ヒアルロン酸を中心とした関節内注射などです。
  • これらの保存的治療を行っても症状がよくならない場合には、手術療法が考慮されます。手術には関節鏡下手術、骨切り術、人工関節置換術などが病気の程度や患者さんの生活様式などに応じて選択されます。