MED法について 脊椎内視鏡手術
MED(Micro Endoscopic Decompression(またはDiscectomy))法とは?
脊椎内視鏡手術の一つで、全国で年間20,000件以上行われている脊椎内視鏡手術の約7割がこの方法で行われています。当院では腰椎除圧術に対して、この術式を取り入れており、内視鏡(直径16mmまたは18mmの円筒)を使用し、術野をモニターに映し、拡大して手術を行うことが出来ます。
MEDの主な特徴
1.通常1椎間あたり、5~6cmを切開する従来法に比べ、腰椎椎間板ヘルニアであれば20mm、腰部脊柱管狭窄症であれば25mm(2椎間であれば35~40mm)の切開で手術が可能で、実際の視野より拡大して手術を行うことが出来ます。
2.内視鏡カメラが25度斜視鏡(斜めに見える内視鏡)となっているため、実際の創の大きさ以上に深く広く術野を確認、手術(除圧操作)を行うことが出来ます。
3.もう一つの脊椎内視鏡手術である全内視鏡下脊椎手術(FESS)は局所麻酔下10mmの傷口で行えるため、それに比べれば麻酔(MEDは全身麻酔)、手術の侵襲は大きいですが、MEDはFESSに比べ、手術適応は広く、従来の腰椎除圧術のほとんどがMED法で可能です。
4.側弯症、脊椎すべり症の一部などの脊椎固定術症例は適応外です。また従来法より手術時間がやや長くなるため、当院では2椎間までの腰椎症例に限って施行しています。
5.低侵襲に行えるため、創の大きさだけでなく、出血量、創痛、身体への負担、入院期間を従来法より少なく出来ています。
技術認定医について
脊椎内視鏡手術に関しては、安全性等の観点から全国的な技術認定医制度があり、当院には山形県内唯一の日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術・技術認定医(MED:2種)が1名常勤し、手術を安全に施行する努力をしております。
担当医と相談の上、治療法の選択を
当院整形外科脊椎外来では、超高齢化社会に伴い、より低侵襲で患者様に負担の少ない術式を検討、提案しております。ただ他の術式と同様、MED法にも利点、欠点、限界はあります。担当医と十分に相談の上、治療法を選択して頂けますよう宜しくお願い致します。