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健康豆知識

糖尿病について

生活習慣病には、脂質異常症、糖尿病、高血圧などがあり、健診の検査項目に含まれるものが多いです。これらの疾患を、放置しておくと狭心症、心筋梗塞などの心血管疾患や、脳卒中などの脳血管障害、腎不全など重篤な症状を起こすことになります。

今回はこの中の糖尿病について、基本的な項目についてご説明いたします。

1.HbA1cとは何を表しますか?

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1~2か月の血糖値の平均値を表しており、糖尿病の可能性があるかどうか判別する指標となります。日本糖尿病学会では、HbA1cが6~6.4%(NGSP値)であると、"糖尿病の可能性が否定できない"、6.5%以上では"糖尿病が強く疑われる"とされています。HbA1cにて精査要の判定時は、専門外来受診にて、75gOGTT(糖負荷試験)や、他の検査が必要になります。

2.75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)について

75gGTTとは糖分を含んだサイダー水のような検査薬を服用して、30分、60分~120分の血糖値を検査して行う、糖尿病の精密検査です。

3.糖尿病とはどういう病気でしょうか?

人に必要な栄養素には、炭水化物(ご飯、麺類、パン、芋、豆など)や、蛋白質、脂質などがあります。これら栄養素が、体内の主なエネルギー源として利用されるときに、膵臓のランゲルハンス島から分泌される、インスリンというホルモンが働きます。このホルモンが足りない、または働きにくいなどして、血中の糖濃度が慢性的に高い状態になると、糖尿病が発症します。

糖尿病には1)1型糖尿病(自己免疫性、特発性)2)2型糖尿病 3)遺伝子異常同定された糖尿病や、内分泌疾患や肝疾患、薬剤によるもの 4)妊娠糖尿病と成因で4つに分類されています。本邦では生活習慣病としての2型糖尿病が多いです。

4.糖尿病の治療にはどのようなものがありますか?

まず個人の体重、身長などから必要とされる適正カロリーに準じた食事が大切です。

炭水化物、蛋白質、脂質をバランスよく摂取することも大切でして、過度な制限は逆に糖尿病を悪化させます。

年齢、他の合併症などの兼ね合いから、個人にあった栄養相談が必要になります。

適度な運動も必要ですが、網膜症、血圧、心疾患などメディカルチェックをうけてからにしましょう。

薬物療法は前出した1型糖尿病や妊娠糖尿病は、インスリン治療が必要となります。

2型糖尿病の場合はインスリン分泌能やインスリン抵抗性の程度、腎不全などの合併症により治療法が異なります。インスリン、GLP-1製剤などの注射薬、個人にあった経口薬など選択幅はここ数年広くなっています。

5.糖尿病を放置してるとどうなりますか?

糖尿病と診断された場合、発症の段階の程度にもよりますが、適切な治療をせずに放置してると、3大合併症の糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害や、狭心症、脳血管障害、PAD(末梢動脈疾患)などの大血管障害が起きてきます。糖尿病は症状が最初はほとんどありません。徐々に多尿(トイレの回数増)、多飲(口渇にて飲水量増)、さらに悪くなると体重が減り、疲れやすくなります。怖いのは合併症です。元に戻らない合併症もあります。放置せず受診して、治療につなげましょう。

また糖尿病の方は、他の疾患より動脈硬化が起きやすいため、血圧(家庭血圧125/75 )や脂質異常(LDL<120未満)なども管理必要とされています。

次回は血圧のお話を予定しております。