重要なお知らせ
新型コロナウイルスに関するお知らせ

主な業務

 昨今、患者さんに質の高い医療を提供するため、チーム医療が重要視されています。私たち病院薬剤師はチーム医療の中、薬の専門家としての知識・技能を駆使して、薬物療法、医薬品の適正使用、医療安全等に貢献することが求められています。
 患者さんが安心し、また、安全に医療を受けられるよう、他の医療スタッフと協力しながら、病棟や外来化学療法室、入退院支援室等、病院内の様々なところで業務を行っています。また、薬学生の長期実務実習受け入れを行い、次世代の薬剤師育成にも取り組んでいます。
 病院薬剤師の業務は多岐にわたります。主な業務を以下にご紹介します。

【一般調剤】
医師の処方に基づき、処方内容について薬の量・飲み方・飲み合わせ・副作用などのチェックを行い、個々の患者さんに適した形で調剤しています。処方内容に疑問点があれば医師に問い合わせ、確認を行っています。

【注射剤調剤】
院内処方について、投与量・経路・速度・期間・配合変化などのチェックを行い、注射薬の調製(抗がん剤、高カロリー輸液)や調剤を行います。また、PET薬剤の合成や品質管理も行っています。

【薬剤管理指導・病棟薬剤業務】
当院では薬剤投与後の「薬剤管理指導業務」に加え、平成25年5月より投与前の「病棟薬剤業務」を開始しました。病棟における薬剤師の活躍の場は更に広がり、私たち薬剤師の仕事は大きな変革を迎えています。

【DI】
医薬品情報管理室では、専任の薬剤師が医薬品情報の「収集」、「管理」、「伝達」を行っています。インターネット環境を駆使し、各企業のDIセンターや担当MRを通じて基本的な情報を収集しています。

【製剤】
患者さんの病態やニーズに対応するため、経済性、安定性の面から市販されていない薬剤の調製を行っています。院内特殊製剤の中には、未承認医薬品や試薬を製剤化するもの、適応外使用するものもあり、必要に応じ倫理審査委員会で審査されます。

【入退院支援】
入退院支援室では、患者さんが安心して入退院できるよう、看護師・薬剤師・MSW・事務職員等がサポートを行っています。薬剤師は、患者さんが服用している医薬品の鑑別(医薬品名・薬効・服用方法等)を行います。また、手術や検査前に中止しなければならない医薬品を確認し、患者さんへ説明を行います。

【NST(栄養サポートチーム)】
当院のNSTは平成17年にNST稼働施設認定を受け、医師、管理栄養士、看護師などとともに、患者さんの栄養状態を評価し、適切な栄養管理のサポートを行っています。

【ICT(感染制御チーム)】
ICTは週1回院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うと共に、院内感染防止対策の実施状況の把握及び指導を行っています。薬剤師は、抗菌薬の適正使用の観点から、抗MRSA薬のTDM処方設計などに関わっています。

【緩和ケアチーム】
緩和ケアチームは、医師・薬剤師・看護師・理学療法士・栄養士・MSWなど多くの職種で構成されています。薬剤師は、全人的疼痛に対して薬物治療の面から貢献しています。患者さんへの服薬指導はもちろんのこと、痛みの程度や副作用などの状況を把握し、処方提案を行っています。

【糖尿病教室】
糖尿病治療を受けられている、入院・外来患者さんを対象にした糖尿病教室が、月に2回開催されています。薬剤師は1回目の教室に参加し、スライドを使いながら、糖尿病治療薬の薬効や副作用、薬の飲み方や使い方、インスリン治療について、低血糖症状と対処方法等をお話ししています。

【PET/CT】
PET/CT検査に使用する放射線薬剤フルオロデオキシグルコース(FDG)は院内の製造施設で製造されます。薬剤師は製造工程で、薬剤の合成から品質管理及び各種検定に関わっています。また、ホットラボ(PET薬剤製造室)の環境測定試験を行うなど、製造衛生管理基準に則った管理を行っています。

【薬学実務実習】
6年制薬学教育の導入で必修となった、薬学生長期実務実習の受け入れを行っています。
実習内容は、注射剤の調剤や無菌調製、ベッドサイドでの服薬指導といったカリキュラムの内容に加え、病棟業務、ICT、NST、緩和ケア、がん化学療法等のチーム医療への参加等、病院ならではの業務を経験できるよう取り組んでいます。

【薬剤投与計画】
抗MRSA薬など投与量の調整が必要な薬剤について、薬物治療モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring:TDM)を行っています。薬物血中濃度を基に、患者の検査データ、年齢、疾患、臨床症状などの情報を考慮し、より安全でより効果的な投与量・投与方法を設計し、医師に情報提供を行うことで個々の患者さんに合わせた適切な薬物療法を支えています。