高気圧酸素療法
高気圧酸素療法とは
大気圧よりも高い気圧環境の中で、酸素を適用することに
より病態の改善を図ろうとする治療です。
主な効果としては
- 体内(血液中)の酸素量を増加させ、生体内の低酸素症の改善効果
- 酸素の抗菌作用を利用し、細菌の発育を阻害する抗菌効果
- 生体内にできてしまった気体を圧縮し、再溶解することにより末梢循環の改善をし、組織の浮腫を軽減させる生体内気体の圧縮・溶解効果があります
高気圧酸素治療適応疾患
1 減圧症又は空気塞栓症に対するもの
発症後1ヶ月以内に行う場合に一連につき7回を限度として治療ができます
2-1 その他のもの 一連につき10回を限定として治療ができます
(1) 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
(2) 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
(3) 急性末梢血管障害
① 重症の熱傷又は凍傷
② 広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
③ コンパートメント症候群又は圧挫症候群
④ 脳梗塞
⑤ 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
⑥ 重症の低酸素脳症
⑦ 腸閉塞
2-2 その他のもの 一連につき30回を限度として治療ができます
① 網膜動脈閉塞症
② 突発性難聴
③ 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
④ 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
⑤ 皮膚移植
⑥ 脊髄神経疾患
⑦ 骨髄炎又は放射線障害
治療のながれ
高気圧治療実績(令和4年度疾患別患者数)
疾患名 | 患者数 |
---|---|
脊髄神経疾患 | 34 |
骨髄炎 | 6 |
放射線障害 | 1 |
脳梗塞 | 8 |
腸閉塞 | 2 |
コンパートメント症候群 | 1 |
難治性潰瘍を伴う末梢神経障害 | 2 |
合計 | 54 |
治療装置の種類
第1種高気圧酸素治療装置
(米国 SECHRIST社製 モデル2800J)1台 1人用