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健康豆知識

禁煙について

喫煙は肺がん,脳卒中,虚血性心疾患,認知症といった様々な病気と関連し,喫煙者自身と周りの人の健康を害します。特に子どもの受動喫煙では乳幼児突然死症候群や気管支喘息,呼吸機能低下などを引き起こす可能性があり,次世代にまでおよぶ深刻な問題です。最近では喫煙者において新型コロナウイルス肺炎が重症化する危険性があるとされています. 自分の命と大切な人の命を守るため,禁煙について考えてみませんか。

1.なぜタバコをやめられないのか?

 タバコは体に悪いことが分かっているのに禁煙できないのは依存症が原因です。
タバコに含まれるニコチンは脳に作用して依存を形成します。ニコチン依存症においては体内のニコチン濃度が低下するとイライラなどの不快な症状が現れ,タバコを吸うことによりその症状が改善します。ニコチン切れによるイライラを抑えるため,喫煙し続けることになるのです。煙を吐く深呼吸効果と休憩時間を取ることにより落ち着いたように感じ,喫煙行為そのものへの依存も起こります。
 健康よりも喫煙を優先させてしまうことは,ニコチン依存症の症状の1つです。

2.タバコはストレス解消になる?

 タバコが解消できるのはニコチン切れによるストレスだけです。喫煙によってニコチン不足による症状が消え,気分が落ち着いたように感じます。ニコチンへの依存によって喫煙を正当化してしまい,「ストレス解消のためにタバコを吸う」と考えさせられているのです。
 ニコチン依存症から解放されればニコチン切れによるイライラは起こりませんので,禁煙することこそが真のストレス解消法となります。

3.タバコの本数を減らせばいい?

 たとえ1日1本の喫煙でも虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や脳卒中のリスクになります。タバコを少ない本数にしても,継続して喫煙すると肺がんなど呼吸器疾患による死亡リスクは高くなります。健康のためにはタバコの本数を減らすより禁煙する方が効果的です。

4.家の中で喫煙しなければいい?

 自宅以外の場所で喫煙しても,喫煙者の体に付着した有害物質は家庭内へ持ち込まれています。タバコによる他者への健康影響をなくすには,分煙では不十分です。室内での禁煙は非喫煙者への配慮としての第一歩ですから,次は完全な禁煙を目指してみてください。

5.新型タバコは害が少ない?

 電子タバコや加熱式タバコは「新型タバコ」と呼ばれ,日本では加熱式タバコの使用者が増えています。害が少ないとの宣伝も見られますが,加熱式タバコの煙からは従来のタバコと同等の有害物質が検出されることが分かっており,決して体に良いとは言えません。発売して間もないため長期的な健康影響は不明であるものの,従来のタバコと同じくらい有害ではないかと懸念されています。禁煙する際は新型タバコも止める必要があります。

6.禁煙を成功させるために

 禁煙にはニコチン依存症の克服が大切です。ニコチン依存症はアルコールや他の薬物依存と同等またはそれ以上に治りにくく,再発も多い病気です。自分の意思だけで禁煙することが難しい方は,禁煙補助薬や専門家の支援が有効な場合があります。病院での禁煙治療を希望される方は禁煙外来までご相談ください。