なぜ流産したのか、流産の原因に遺伝的な要因はあるのか、妊娠したが胎児に染色体の異常はないか、遺伝的な疾患はないか、この次に妊娠したときにもまた流産するのではないか、といったような疑問や心配に関して相談をする遺伝カウンセリングの現場においては、何が何%に認められるとか、何%くらいの確率で起こるという言葉をよく使います。
流産の原因に関してカウンセリングを希望される御夫婦には、このように話します。
妊娠したと言って外来を受診する妊婦の10人に1.5人が流産します。流産した原因を調べると、流産胎児の約70%に染色体異常(主に数の異常)が認められ、このことが原因で流産したと考えられます。残りの30%には染色体異常が認められず、母体が原因(甲状腺の機能低下、抗リン脂質抗体症候群、子宮奇形など)ではないかと考えられます。しかし現在では、これらのなかにも胎児の染色体そのものの異常(遺伝子の異常)が含まれていると考えられています。
妊婦の10人に1.5人が流産するということは、確率では約6分の1で流産することになります。先に話しましたように流産の原因の多くは染色体異常であり、染色体異常のある胎児はそのほとんどが淘汰され、流産するようになっています。したがって確率6分の1で流産することは、しかたがないことと考えます。確率6分の1で思いつくのは、サイコロです。サイコロを振って1が出たら流産になるとしましょう。1回目に1が出たとします。確率は6分の1のことなのでよくあることです。2回目も1が出たとします。確率は36分の1のことなので、これもそんなに珍しいことではありません。3回目も1が出たとします。確率は216分の1のことになり、3回連続の流産はめずらしいことです。そして、これは何かありそうだと考えます。サイコロに何かしかけがある、すなわち流産する確率が違うと考えます。夫か妻のどちらかの染色体になにか異常が存在して、流産しやすくなる原因があると考えます。このような場合は、御夫婦の染色体検査を勧めることになります。
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