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健康コラム |
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【健康百話】第13話 認知症について 神経内科 本田 耕一 医師 |
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このところ物忘れで困ったり、家族に指摘されて神経内科を受診される方が増えています。物忘れは必ずしも病的なものだけでなく、健康な状態でもみられますが、この場合は物忘れの自覚があり、思考力や判断力の低下はみられません。日常生活にも支障をきたしません。一方、病的な物忘れでは、ある程度の自覚はあってもあまり深刻に考えないか、全く自覚がありません。徐々に進行し日常生活に支障をきたします。どちらの物忘れであるかを区別することが大切です。 このような病的な物忘れ、記憶記銘障害は、見当識障害や判断力の障害と並んで認知症の「中核症状」です。何度も同じことを言ったり訊いたりする、大切な物をよくなくしたり、置き忘れたりする、火の消し忘れ、ガス栓の閉め忘れが多くなる、今は何月か、どこにいるのか見当がつかなくなる、簡単な計算の間違いが多くなる、今まで好きだったものに興味・関心がなくなるなどといった症状があれば認知症の可能性があります。 認知症の原因として、これまでは脳血管性認知症が最も多いとされていましたが、最近はアルツハイマー型認知症の方が多くなっており、50〜60%を占めるとされています。アルツハイマー型認知症は約100年前に初めて報告され、脳全体が少しずつ萎縮するのが特徴ですが、側頭葉内側の、記憶を司る海馬という部位が早期に萎縮します。そのため記憶記銘障害、見当識障害で発症することが多く、徐々に進行し、幻覚や妄想、特に「もの盗られ妄想」がよく見られますが、麻痺などの神経症状を伴うことはまれです。軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制に、平成11年からアリセプトという薬が使えるようになりましたが、平成19年からは日常生活において常に介護が必要とされる高度のアルツハイマー型認知症(寝たきり状態や摂食困難、言語による意思疎通困難な場合は原則として除きます)の患者さんにも投与可能となりました。
レビー小体型認知症は約30年前に初めて報告され、認知症の10%を占めるとされています。進行性の認知症を基本に、はっきりしている時とぼーっとしている時がみられるといった認知機能の変動、ありありとした幻視、筋肉が硬くなったり動作が遅くなって歩行が不自由になるパーキンソン症状がみられます。睡眠中の行動異常を認めることもあります. 認知症は誰にでも起こりうる病気であり、現在患者さんは日本で約180万人と推定され、画期的な予防・治療法が開発されない限り今後も20〜30年は増加し続けると予想されています。20年後には300万人を超え、65歳以上の高齢者の10人に1人が認知症という状態も想定されています。
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