心臓血管外科・呼吸器外科

特色

山形済生病院心臓血管外科では主に脈管(動脈、静脈、リンパ管)の疾患に対する専門的な診療を行っています。特に下肢末梢動脈疾患による重症虚血肢に対する下肢救済療法、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術、リンパ浮腫に対する複合的治療を中心に多職種が協力して診療を行っております。
診療に際しては、患者様お一人お一人の病状を詳細に評価するとともに社会的な背景などを考慮しオーダーメイドの治療方針をご提案させていただくことをモットーとしております。

血管外科

診療内容

動脈疾患

1.下肢末梢動脈疾患

腹部大動脈以下の動脈が動脈硬化性変化や炎症性疾患により狭窄(狭くなる)や閉塞する(詰まる)ことにより下肢の血行障害を生じる疾患。近年の高齢化や糖尿病有病率の増加により下肢血行障害の病態は重篤化の傾向をたどっている。
最も重症な症例では足の潰瘍や壊疽に至り、適切な治療が実施されない場合、大切断を余儀なくされる。

2.急性動脈閉塞

心原性塞栓(不整脈などに関連して心臓の中に血栓を形成し、血液の流れに乗って様々な動脈に飛んでいき血管を閉塞する疾患)や、胸部から腹部大動脈の壁在血栓由来の塞栓症により下肢や上肢の動脈が急に詰まってしまう疾患。
緊急で外科的血行再建などの適切な治療を必要とする。

3.腹部大動脈瘤

腹部大動脈の局所が正常径の1.5倍以上に拡張したものを腹部大動脈瘤と定義する。
95%は腎動脈下に発生し、主な原因は動脈硬化性変化とされる。動脈瘤の瘤径や形態により破裂の可能性を考慮し、外科的治療の適応を検討する。

4.末梢動脈瘤

内臓動脈瘤(腎動脈瘤、脾動脈瘤など)は比較的稀な疾患であるが、腹部CTなどにより偶発的に診断にいたる場合が多い。瘤の形態や大きさにより血管内治療をはじめとする治療が必要になる場合がある。
また、大腿動脈瘤や膝窩動脈瘤など下肢動脈に発生する動脈瘤は瘤径の増大による破裂と動脈瘤閉塞による下肢血行障害を生じるため外科的加療の適応となる場合が多い。

下肢静脈瘤血管内治療のご案内

静脈疾患

1.下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは下肢の表在静脈が拡張し屈曲蛇行した状態であり、その多くは下肢の表在静脈弁不全が原因である。発症の誘因は立ち仕事、妊娠、肥満、遺伝的要因などがあげられる。重症化するとうっ滞性の皮膚炎や潰瘍を生じ難治性に至る可能性があるため、血管内焼灼術などをはじめとする治療の適応となることが多い。

2.静脈血栓塞栓症

深部静脈血栓症は下肢の深部静脈に血栓が形成される疾患である。発症の危険因子としては、安静臥床や外科手術、悪性疾患の並存などがあげられる。深部静脈に生じた血栓が血流に流され、右心房・右心室を通り肺動脈へ到達して血管が詰まると肺血栓塞栓症に至る。急な胸痛や呼吸困難などにより発症することが多いが、下肢静脈から肺動脈へ塞栓した血栓量が非常に多い場合は突然死に至る疾患である。エコノミークラス症候群として知られている疾患である。

リンパ浮腫

リンパとはリンパ管内を流れる液体のことである。その大部分は毛細血管から漏出し、組織の間を流れた間質液が毛細リンパ管内に流入したものである。
リンパ浮腫はリンパの輸送障害により組織の浮腫を生じる疾患で、その原因としては、リンパ管の形成・発育不全による原発性と続発性に分類される。
続発性リンパ浮腫は、乳がんや子宮がんなどの悪性疾患の治療後に発生する上肢や下肢の浮腫であり、重篤化した場合には日常生活に支障をきたすことも多いため、適切な診断と治療が必要である。

血管外科

治療法

動脈疾患

1.下肢末梢動脈疾患

・血管内治療(カテーテルによる血管拡張やステント留置、末梢動脈用ステントグラフト内挿
 術など)
・バイパス手術(解剖学的血行再建、非解剖学的血行再建。代用血管として自家静脈や人工血
 管を使用)
・血管形成術(内膜血栓摘除術など)
・重症虚血肢に対する下肢救済療法
 重症虚血肢に対して適切な診断・血行再建・組織再建による下肢救済を施行するべく、山形
 済生病院下肢救済チームを立ち上げ、多職種による治療体制を整えています。

2.急性動脈閉塞

・血栓摘除術
・バイパス手術
・血管形成術

3.腹部大動脈瘤

・ステントグラフト内挿術を中心とした外科治療

4.末梢動脈瘤

・カテーテルによるコイル塞栓術
・末梢動脈用ステントグラフト内挿術
・空置バイパス術

静脈疾患

1.下肢静脈瘤

・血管内焼灼術
 平成25年度より下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(レーザー・ラジオ派による血管内治療)
 を導入しました。従来の手術(静脈瘤抜去術)に比較して、低侵襲であり術後の疼痛が少な
 く美容的に優れている治療方法です。平成30年10月の時点で2000件の手術を行っており、
 全国でも有数の実績があります。

2.静脈血栓塞栓症

・抗凝固療法の導入
・弾性ストッキングの着用による圧迫療法

リンパ浮腫

・リンパドレナージ
 リンパ療法士の指導の下に複合的理学療法を実施しています。複合的理学療法としては、ス
 キンケア・用手的リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫療法下での運動療法などが施行されま
 す。また、同時にリンパドレナージのセルフケアに関しても御指導をさせて頂いておりま
 す。

専門外来

・静脈瘤外来:金曜日午後

・血管外科・下肢救済外来:水曜日午前

外来診療体制

外来診療体制につきましては下記をご覧ください。

外来診療体制一覧

所属医師名・所属学会・専門分野

折田博之(S54年医師免許・医学博士)

  • 日本外科学会〔外科専門医・指導医〕
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・ 心臓血管外科修練指導者〕
  • 日本胸部外科学会〔指導医〕
  • 日本老年医学会〔老人保健施設管理認定医〕

廣岡茂樹(S60年医師免許・医学博士)

  • 日本外科学会〔専門医・指導医・認定医〕
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・心臓血管外科修練指導者〕
  • 日本静脈学会〔評議員・弾性ストッキング、圧力療法コンダクター〕
  • 血管内レーザー焼灼術実施・管理委員会〔指導医・実施医〕
  • 日本病院会〔医療安全管理者〕

外田洋孝(H9年医師免許・医学博士)

  • 日本外科学会〔専門医・指導医〕
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構〔心臓血管外科専門医・心臓血管外科修練指導医〕
  • 日本脈管学会〔脈管専門医〕
  • 日本フットケア・足病医学会〔評議員〕
  • 日本ステントグラフト実施管理委員会〔血管内治療実施医(腹部)・腹部ステントグラフト指導医〕
  • 浅大腿動脈ステンドグラフト実施医〔Gore VIABAHN〕
  • 日本血管外科学会〔血管内治療医〕

R2年心臓血管外科手術症例

下肢静脈瘤・血管焼灼術
腹部大動脈瘤
 ステントグラフト内挿術
 閉塞性動脈硬化症に対する血行再建手術
(Primary stenting、Hybridを含む)
急性動脈閉塞症
趾・肢の切断術、断端形成
バスキュラーアクセス作成
肺・縦隔の良性疾患
  437例
  
  20例
  70例

  11例
  12例
  10例
  2例

 

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